インターは子供の進路を広げるか?立ちはだかる国籍の問題。


「日本はもうダメだから、海外で生きていけるようにインターにいかせようと思います」という話をよく聞きます。
子供が将来海外で暮らすことを視野に入れることは、子供の選択肢を増やすために素晴らしいと思います。
でも、だからと言ってインターに行くことが本当に選択肢を増やしているのでしょうか?

移住するにはビザや永住権の取得が必要。こんなシンプルなことがわかっていない親が多すぎる。

どれだけ海外で暮らしたくても、住みたい国のビザや永住権が取得できない可能性があるという事実。
日本のパスポートは「世界一優遇されているパスポート」とも呼ばれているのを知っていますか?
なんと約190カ国にビザなしで渡航できるのです!
つまり海外旅行では簡単にどこにでも行けるので、住むのも簡単と思っている人が多いようです。
でも「旅行で行ける国」=「住める国」ではありません。
近年はアメリカ、ヨーロッパ各国、先進国のほとんどが、移民の受け入れの門戸を狭めているのが現状です。

私の知り合いに、インター育ちで日本に馴染めない女の子がいました。
彼女はアメリカの大学に進学し、卒業後もアメリカで就職を希望しましたが、就労ビザが取れず日本で就職することに。
「日本で働きたくない」「日本で生きたくない」といいながら、日本で生活する以外の選択肢がない彼女。
私には彼女はインターに行ったことで選択肢が広がったようには見えないのです。

ビザが失効したままアメリカに残っているケースもたくさん知っています。
彼らは日本に帰ると、次の渡米でアメリカに入国することがほぼできなくなるため、日本には帰れない状況に陥っています。
中にはご両親のお見舞いに帰国することもできないという悲しいケースも・・・・

「日本はもうダメだから」という親の思いだけで子供をインターにいかせるのは子供の将来の選択肢を狭めることになります。
国籍のある日本で幸せに生きる方法があり、同時に日本でも海外でも生きていける力をつけることが、子供にとっての選択肢を広げることになるのではと思います。

ツールのためだけにインターを選択する必要はない!
英語がしゃべれるバイリンガルは活躍の場が広がることは確かです。
でもそれが「数学が得意」「楽器に秀でてます」と比べて大きな差があるかどうか、と聞かれるとわかりません。
数学が得意でも、英語が得意でも、結果的にはその特技を生かす力が一番大事なのではと思っています。
私の周りには日本の教育を受けながら、ホームステイや留学を経験することで語学はもちろん、考え方も柔軟な国際人となっている人が沢山います。
英語はあくまでツール。
日本にいても親の考え方次第で、世界に羽ばたく子供へと育てることができると強く思っています。


関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA