女優・剛力彩芽ちゃん
最初に私が剛力彩芽ちゃんに注目したのは、何かのCMだった。
アイドル全盛期の彩芽ちゃんは本当に可愛かった。
けど、絶世の美少女ではなかった。(ごめん、彩芽ちゃん)
10代は美少女がもてはやされる芸能界で、彼女はちょっと違っていて。
ものすごく爽やかで明るいのだけど、何かもう一つレイヤーがある。
影とか暗いとか、そういう単純なことではなくて。
その不思議なレイヤーが彩芽ちゃんの魅力なのだと思う。
2012年に映画『L♥DK』のヒロイン・西森葵役を彩芽ちゃんにオファーさせて頂いた。
渡辺あゆ先生の漫画『L♥DK』は、数多い少女漫画の中でも圧倒的な存在感があり、大ベストセラーの漫画。
ヒロインの西森葵は一見すると、お料理やお掃除が好きな、男性に従順な少女漫画のヒロインキャラに見えるけど、実は全く違う。
自分が好きな事をしっかり持って何にも媚びず、背伸びもしない、自分を知っている強いキャラなのだ。
彩芽ちゃんは初主演ながら、この大人気漫画のヒロインを堂々と演じきった。
変に自分を飾らないし媚びないところが、葵という役と彩芽ちゃんがオーバーラップしたのかもしれない。
相手役の山崎賢人くんは2歳年下で、リハーサルの時は彩芽ちゃんが面倒見のいいお姉さんにしか見えなかったけど、撮影の時にはすっかり高校生のカップルになっていたのも微笑ましかった。
それからもう6年!!
先日稲垣吾郎さん主演の演劇「No.9 -不滅の旋律」にお伺いして、久しぶりに彩芽ちゃんにお会いした。
「No.9 -不滅の旋律」のヒロイン・マリアとしてアクトシアターに立つ姿は、すっかり大人の女性だった。
ベートーベンを支えたという設定のマリアの長い人生を演じていた彩芽ちゃんの演技は「マリアの若い娘時代は大丈夫だろうけど、年をとった時をどう演じるのだろう?」という私の予測を裏切り、年をとったときのマリアの方が圧倒的に良かった。
女優としての次のステージに立つ時期にきているのだろう。
ワイドショーで見る事が多かった最近の彩芽ちゃん。
女優業に集中できているのかしら、と少し心配でもあったけど、なんのその。
女優としての貪欲さは増していると思った。
決して演技が天才的に上手い女優さんではない。それは、ご本人が一番わかっていらっしゃると思う。
けれども、「天才」を凌駕できる努力と根性を持ち合わせる方だと思う。
これから演じる役によってどのように脱皮していくのか。とても楽しみになった。
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